こんにちは!
BEYOND中野店店長の早乙女(@saotome_takutoshi)です。
今回は
筋トレって「〇〇の日」みたいに日によって鍛える部位が変わた方がいいんじゃないの?
全身法っていう方法があるらしいけど、自分もやるべきなのかな?
こんな疑問にお答えします!
YouTubeでよく見かけるトレーニング動画では「肩トレDAY」など1回で1〜2部位を鍛える動画が多くあります。
一方、それとは対象的に1日に全身を鍛える方法を全身法と呼びます。
今回は筋トレ初心者で、まだ全身法をよく知らないという方に向けて全身法がどんな手法で、頻度やメニューはどうやって組むのかを解説していきます。
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筋トレにおける全身法とは
筋トレにおける全身法とは1回のトレーニングで全身を鍛える手法のことです。
一方、全身法とは逆に複数回のトレーニングで全身を鍛える手法は分割法と呼ばれます。
1950年以前は全身法で鍛えるのが当たり前でしたが、1950年以降に分割法の考え方が生まれて今では分割法が主流です。
全身法と分割法のメリット・デメリットを比べると下記の通りです。
- メリット
- ジムに行く頻度が少ない
- 初心者でも最後までメニューをこなせる
- 1回あたりの消費カロリーが大きい
- 1週間あたりの種目数が少ない
- デメリット
- 1回あたりがかなりきつい
- 1回あたりの時間が長い
- 各部位ごとの追い込みが弱い
- メリット
- 対象の筋肉を追い込みやすい
- 1回あたりの時間が短い
- 鍛える部位以外は休められる
- デメリット
- 初心者は後半でスタミナが切れやすい
- ジムに行く頻度が増える
- 1週間あたりの種目数がかなり多い
全身法と分割法はどうやって選ぶ?
全身法のメリットとデメリットを紹介しましたが、どちらを選ぶべきか迷う方もいるでしょう。
結論、初心者は全身法、中級者以上は分割法を選ぶのがおすすめです。
初心者に全身法がおすすめな理由
こちらの動画でも言われていますが、初心者の場合はフォームが身についておらず、筋力を発揮する神経も発達していません。
この状態で分割法を行ったとしても各種目のフォームすべてが不安定で、筋肉にも上手く効かせられないので非効率です。
筋トレYouTuberのほとんどが「胸の日」「肩の日」など細かく分けていますが、それは上級者だからであって初心者が真似しても同じ効果は得られません。
それよりも全身法にした方が同じ種目を週に2〜3回行うのでフォームも身につきやすく、筋肉にも上手く刺激を与えられるようになります。
さらに全身法で行うベンチプレス、スクワット、デッドリフト、懸垂などは全種目の中でも特に高負荷がかかる種目です。
これらの種目のフォームを身に着け、重量がどんどん上がっていくことで全身の筋力・筋肉の基盤ができあがります。
その基盤を作った上で分割法にシフトすることで、各種目適切なフォームで高重量を扱えるようになるのです。
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中級者以上に分割法がおすすめな理由
中級者以上になれば各種目のフォームも身についている上に、筋肉にも上手く効かせられようになっているため分割法が適しています。
全身法で行っても各筋肉が筋肉痛になりにくくなってきた段階が分割法に移行する頃合いでしょう。
分割法に移行することで各筋肉ごとの種目数が増えるので、全身法より追い込めるようになり筋肉の発達が見込めます。
全身法から分割法に移行する際は2つに分ける二分割、3つに分ける三分割という風に徐々に細かく分けていきます。
二分割でも追い込めないなら三分割というようにレベルに比例して、細かく分けるのがおすすめ。
分割 | 分け方の種類 |
---|---|
ニ分割 | 「上半身・下半身」 「プッシュ・プル系」 |
三分割 | 「上半身の大筋群・上半身の小筋群・脚」 「プッシュ・プル・脚」 |
四分割 | 「背中」「肩・上腕三頭筋」「脚」「胸・上腕二頭筋」 「胸・上腕二頭筋」「脚」「肩・上腕三頭筋」「背中・腹筋」 |
五分割 | 「胸」「背中」「肩」「腕」「脚」 |
分割法については以下もご参考ください!
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全身法で毎日筋トレしてもいい?
筋トレ初心者で「全身法を毎日やるのはあり?」と考える方もいるでしょうが逆効果です。
これは全身法で毎日筋トレすると、筋肉の修復が追いつかないからです。
筋肉は「筋トレして筋繊維が痛む→修復されて前より強くなる」というサイクルを繰り返すことで発達していきます。
それにも関わらず、毎日全身法をやってしまうとこの修復の過程がないので筋肥大は見込めません。
筋トレ自体は筋肉の合成と分解の両方の作用をもつので、むしろ筋肉の分解も進んでしまうことになるので注意しましょう。
毎日やったほうがいい場合
ただし、例外的に毎日やっても構わない場合があります。
それは毎回の筋トレの負荷が弱く筋肉を追い込めていない場合です。
自宅での自重トレーニングなどはどうしても負荷が弱いので、追い込むのが難しいので毎日やっても支障がないと考えられます。
例えるなら、自重で行う2〜3回のトレーニング=ジムでの一回分のトレーニングというイメージです。
ただし、久しぶりの筋トレで筋肉痛がひどい場合は2〜3日空けましょう。
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全身法の適切な筋トレ頻度
全身法で筋トレする場合、毎日やるのは逆効果ですが週に3回以下の筋トレなら全身法を行うのは効果的とされています。
こちらの論文では三分割と全身法を行うグループに分け、トレーニング時の重量・回数・セット数を統一して実験しましたが全身法を行った方が筋肥大効果が大きかったという結果が出ています。
全身法か分割法かを選ぶには、トレーニングレベルを考慮するのも重要ですが、週に4回以上なら分割法、週に3回以下なら全身法と頻度も考慮して決めましょう。
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全身法の筋トレメニュー例
続いて、全身法を行う場合のメニュー例を筋トレ頻度ごとに紹介していきます。
週1筋トレの場合
週に1回筋トレする場合のメニュー例は以下の通り。
種目 | RM | セット数 | インターバル |
---|---|---|---|
デッドリフト | 10〜15RM | 3 | 3分 |
ベンチプレス | 10〜15RM | 3 | 3分 |
懸垂 | 10〜15RM | 3 | 3分 |
スクワット | 10〜15RM | 3 | 3分 |
※RMとはRepetition Maximumの略称である重量を連続でこなせる最大の回数を指す。10RMは10回ギリギリ上げられる重量を指す
週に1回しか行わないので、1回のトレーニングでできる限り全身をまんべんなく追い込む必要があります。
それに適した高重量で全身の筋肉を鍛えられる種目が筋トレビッグ3と呼ばれるもの。
これはベンチプレス・スクワット・デッドリフトの総称で、この3つをやればほぼ全身が鍛えられます。ただし身体の中でも大きな筋肉である広背筋が効きにくいので、そこで懸垂を足すのが良いでしょう。
また、種目の順番ですがデッドリフトとスクワットはいずれも腰に高負荷がかかる種目で連続して行うのはおすすめしません。
間にベンチプレスとスクワットを挟むことで、腰を休ませる時間が取れるため上記の順番通りに行うのが良いでしょう。
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週2筋トレの場合
週に2回筋トレする場合のメニュー例は以下の通り。
1回目
種目 | RM | セット数 | インターバル |
---|---|---|---|
スクワット | 8〜10RM | 3 | 3分 |
ベンチプレス | 8〜10RM | 3 | 3分 |
懸垂 | 8〜10RM | 3 | 3分 |
ショルダープレス | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
アップライトロウ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
アームカール | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
クランチ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
※RMとはRepetition Maximumの略称。
その重量を連続でこなせる最大の回数を指し、10RMは10回ギリギリ上げられる重量を指します。
2回目
種目 | RM | セット数 | インターバル |
---|---|---|---|
デッドリフト | 8〜10RM | 3 | 3分 |
ディップス | 8〜10RM | 3 | 3分 |
レッグプレス | 8〜10RM | 3 | 3分 |
ラットプルダウン | 8〜10RM | 3 | 60〜90秒 |
サイドレイズ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
トライセプスプレスダウン | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
リアレイズ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
レッグレイズ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
週に1回の時より細かい鍛え分けができるので、その分同じ部位を鍛えるにしても種目を変えましょう。
そうすることで、1回目では大胸筋中部を狙う、2回目で大胸筋下部を狙うといった同じ部位でも違う刺激を与えられます。
また、身体の中でも大きい筋肉で高重量を扱える大胸筋、大腿四頭筋、大殿筋、広背筋などを鍛える種目は前半にもってきて、後半で腕や肩、腹筋など小さな筋肉をネチネチ追い込むイメージです。
また、トレーニングの負荷に慣れてきた種目では次回は+2.5kgというように少しずつでも重量を上げていくことで筋肥大効果が出やすくなりますよ。
スケジュール例
なお1週間のスケジュールは中2日、あるいは3日空けるとよいでしょう。
週3筋トレの場合
週に3回筋トレする場合のメニュー例は以下の通り。
1回目
種目 | RM | セット数 | インターバル |
---|---|---|---|
スクワット | 8〜10RM | 3 | 3分 |
ディップス | 8〜10RM | 3 | 3分 |
ラットプルダウン | 8〜10RM | 3 | 3分 |
インクラインフロントレイズ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
サイドレイズ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
アームカール | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
クランチ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
2回目
種目 | RM | セット数 | インターバル |
---|---|---|---|
ベンチプレス | 8〜10RM | 3 | 3分 |
レッグプレス | 8〜10RM | 3 | 3分 |
懸垂 | 8〜10RM | 3 | 3分 |
ショルダープレス | 8〜10RM | 3 | 60〜90秒 |
リアレイズ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
ライイングトライセプスエクステンション | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
インクラインハンマーカール | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
レッグレイズ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
3回目
種目 | RM | セット数 | インターバル |
---|---|---|---|
デッドリフト | 8〜10RM | 3 | 3分 |
カーフレイズ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
インクラインダンベルプレス | 8〜10RM | 3 | 3分 |
ワンハンドローイング | 8〜10RM | 3 | 2分 |
アップライトロウ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
リアレイズ | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
トライセプスプレスダウン | 10〜15RM | 3 | 60〜90秒 |
プランク | 1分 | 3 | 60〜90秒 |
二分割よりもさらに細かくなるので、各種目の重量を上げ、可能な限り追い込みましょう。
前半は胸・脚・背中の大筋群は前半の方で高重量を扱い、後半は腕を上腕二頭筋と上腕三頭筋、肩を三角筋前部・中部・後部と鍛え分けましょう
スケジュール例
週に3回の場合は中1〜2日でサイクルを組みます。
全身法の筋トレメニューを組む上でのポイント
大筋群を最初にもってくる
原則、種目の始めは胸・背中・脚の大きな筋肉から先に鍛えます。
これらの筋肉は大きな力を発揮できるので高重量を扱えます。
また、筋トレビッグ3などの種目は腕や肩なども一緒に鍛えられるので、全身の筋肥大・筋力アップには非常に効果的です。ただ高重量を扱える分、かなりきついので体力がフレッシュな前半に持ってきましょう。
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腹筋は原則最後にもってくる
大きな筋肉は前半ですが、最後は腹筋をもってくるのがおすすめ。
その理由は他の種目の多くで腹筋が補助的に使われるため、前半に腹筋をメインで鍛えると他の種目のパフォーマンスが低下してしまうからです。
ダイエット目的の場合は有酸素運動も加える
ダイエットも兼ねて筋トレしている方は、全種目が終わった後に有酸素運動を取り入れましょう。
トレッドミル(ランニングマシン)、エアロバイク、クロストレーナーなどはどのジムにもありますが、お好みで構いません。
ただし、ハードにやりすぎると脂肪ではなく体内の糖質ばかりがエネルギー源として消費されるので、心拍数110〜130程度を意識して行うのがおすすめです。(運動中に心拍数が測れるマシンも多い)
僕はテレビやスマホで動画を見ながらできるので、トレッドミルの傾斜を上げて早歩きする方法を取り入れることが多いです。
また、時間が短すぎると脂肪燃焼効果が弱まるので、最低でも20〜30分程度行うようにしましょう。
【筋トレと有酸素運動】脂肪燃焼のためにはどちらを優先すべき?
全身法のまとめ
今回は筋トレにおける全身法の概要や、全身法のメニュー例などを紹介しました。
中上級者になると分割法が当たり前になりますが、初心者の場合はYouTubeでよく見る分割法を真似するよりも全身法の方が適しています。
ぜひ、今回紹介したメニュー例を参考に全身法を試してみて筋トレ初心者から抜け出しましょう。