こんにちは!
BEYOND中野店店長の早乙女(@saotome_takutoshi)です。
ラットプルダウンと並んで、背中を鍛える定番種目の1つである懸垂。
別名チンニングとも言われています。
自重ながら非常に高負荷で、筋トレの初心者の中には
簡単そうだけどいまいち正しいやり方がわからない?
全然上がらない!?
という人が非常に多いです。
そこで今回は、懸垂(チンニング)の色々なやり方や、うまくできない人向けのおすすめメニューなどを紹介していきます。
懸垂がしっかりできるようになると、背中の厚みが飛躍的にふえて、俗に言う羽ができるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
懸垂で鍛えられる筋肉
懸垂で鍛えられる筋肉は広背筋、僧帽筋、大円筋、上腕二頭筋の4つが挙げられます。
それぞれの筋肉の構造や、どのような働きをするのかを見ていきましょう。
広背筋
- 肩の伸展:腕を後ろに引く
- 肩の内旋:肩を内側にねじる
- 肩の内転:腕を外から内に閉じる
広背筋は上腕から腰にかけて広がる、非常に大きな筋肉です。
ラットプルダウンや懸垂のような上から下に引く種目、シーテッドローイングのような前から後ろに引くなど主に引く動作全般で機能します。
上図を見ての通り、斜めについている筋肉なので肘を腰に近づけるように斜めに引く軌道で行うことで刺激が入りやすくなります。
また広背筋は上部と下部に分かれており、上部は肩の内転がメイン、下部は肩の伸展がメインの働きとなります。
僧帽筋
- 僧帽筋上部:肩甲骨の挙上(首をすくめる)
- 僧帽筋中部:肩甲骨の内転(肩甲骨を寄せる)
- 僧帽筋下部:肩甲骨の下制(肩を下げる)
僧帽筋は首の根元から背中の中央部まで広がる巨大な筋肉で、上部・中部・下部と3つに分かれています。
実際、広背筋を鍛えていると僧帽筋も合わせて鍛えられる場合がほとんどです。
ただし、背中の厚みに関わる重要な筋肉でもあるので、重点的に鍛えたい場合はシーテッドロウやベントオーバーロウなど僧帽筋中部を集中して鍛えるのがおすすめです。
詳しくは以下もご参考ください!
大円筋
- 肩の伸展:腕を後ろに引く
- 肩の内旋:肩を内側にねじる
- 肩の内転:腕を外から内に閉じる
広背筋と似た位置についている小さな筋肉が大円筋です。
広背筋と付き方が似ているために、その働きも同じとなるので意識せずとも勝手に鍛えられている筋肉とも言えます。
ただし背中の外側のボコボコ感を形成する筋肉ということから、ボディビルのコンテストに出場するような人は意識して鍛えたい所です。
上腕二頭筋
- 肘関節の屈曲(肘を曲げる)
- 肩の屈曲(腕を前方に上げる)
- 前腕の回外(手のひらを時計回りに回す)
上腕二頭筋は「力こぶ」とも言われる、誰でも知っている筋肉の1つです。
上腕二頭筋は肩関節と肘関節をまたいでいる二関節で、長頭と短頭に分かれています。
肘を曲げる以外にも手首を回す回外や、腕を前に振る肩の屈曲など、意外に多くの作用があるのが特徴です。
上腕二頭筋の鍛え方9選|マシンや自重、ケーブルの鍛え方も紹介!
懸垂の効果的なやり方5選
一概に懸垂といっても手幅や握り方で様々なバリエーションがあり、それぞれフォームが異なります。
代表的な懸垂のバリエーションは下記の5つが挙げられます。
1.通常の懸垂(チンニング)
通常の懸垂(チンニング)の効果的なやり方
こちらが最もスタンダードな順手で行う懸垂です。
身体を持ち上げる際は胸を張った状態で、肩甲骨を下方回旋させながら胸をバーにつけるようにします。
下方回線とは下図のように肩甲骨を斜め下に引く作用です。
2.リバースグリップチンニング
リバースグリップチンニングの効果的なやり方
通常の懸垂は順手で行いますが、持ち手を逆手にして行うこともできます。
逆手にすることで通常の懸垂よりも上腕二頭筋の筋力が使いやすくなる、肩の伸展の動作がメインになることで広背筋下部がメインで鍛えられるといった違いがあります。
3.パラレルグリップチンニング
パラレルグリップチンニングの効果的なやり方
パラレルグリップは手のひらが向かい合うようなグリップで行う懸垂です。
通常の懸垂と逆手懸垂の中間のような種目で、広背筋上部と下部をバランス良く鍛えられるのが魅力です。
また上腕二頭筋以外にも前腕の筋肉を使えたり、背中の僧帽筋も使えたりと1種目で多くの筋肉を鍛えられます。
あまりトレーニングの時間がなく種目が限られるときは、バランス良く鍛えるためにパラレルグリップを採用するのがおすすめです。
4.ワイドグリップチンニング
ワイドグリップチンニングの正しいやり方
ワイドグリップチンニングは通常の懸垂と比べて、手幅を広くして行う懸垂です。
スタートポジションで広背筋がかなりストレッチした位置から始まるため、大円筋など広背筋の上部に刺激が入りやすいのが特徴。
しかし手幅を広げすぎると難易度が上がり、肩の怪我のリスクも高まってしまうので手幅を拳1〜2個程度外側に置くイメージで行いましょう。
5.ビハインドネックチンニング
ビハインドネックチンニングの正しいやり方
文字通り、首の後ろにグリップがくるのがビハインドネックチンニングです。
ワイドグリップチンニングと同様に、通常の懸垂よりも大円筋などの広背筋の上部を鍛えやすいですが、肩が体側より後ろに来てしまうため肩関節の怪我のリスクが高い種目です。
肩の柔軟性がないと怪我のリスクが高いため、基本的には他の懸垂をメインに行いましょう。
懸垂がまだできない人向けの練習方法3選
上記で様々な懸垂のメニューを紹介しましたが、いずれも初心者にはハードルが高く5回もこなせないという人も多いでしょう。
そんな方はこれから紹介する懸垂の前段階となる種目で練習するのがおすすめです。
1.ネガティブチンニング
ネガティブチンニングの正しいやり方
ネガティブチンニングは通常の懸垂ができない人向けの懸垂です。
懸垂は身体を持ち上げる収縮の局面と身体を下ろすストレッチの局面がありますが、ジャンプすることで持ち上げる局面を飛ばしてストレッチの局面(ネガティブ)のみに絞られます。
これにより身体を持ち上げられないという人でも、ネガティブ時に広背筋に強烈なストレッチの刺激が入ります。
懸垂ができない人はまずはこの練習から始める、そして懸垂ができる人はセットの最後の追い込みに利用してみるのがおすすめです。
2.斜め懸垂
斜め懸垂の正しいやり方
斜め懸垂は文字通り、バーに対して斜めの軌道で行う懸垂です。
通常の懸垂と違って、かかとを地面につけて行うため、その分の負荷が軽くなります。
懸垂が1回もできないような人は、まずはこれから始めるのがいいでしょう。
3.チューブチンニング
チューブチンニングの正しいやり方
チューブチンニングはチューブの張力を補助的に使いながらできる懸垂です。
チューブには強度があり、強度が強いほど補助も強まるので、できるようになってきたら徐々に強度の弱いバンドを使う、あるいはネガティブチンニングなどをメインに行うなどシフトしていきましょう。
懸垂の回数やセット数の目安
懸垂の回数ですが、筋トレの回数ごとの効果を考慮すると下記になります。
- 5〜8回:筋力アップ
- 8〜15回:筋肥大
- 15回以上:筋持久力
ただし、正しいフォームで10回以上できる人となると限られてきます。
そのため、最初は通常の懸垂でやってみて、限界がきたらネガティブチンニングに切り替えるなどして目標の回数までこなすというのがおすすめです。
セット数は通常は3セット、筋力・筋肉が増えてきたら4セットにしてみてもいいでしょう。
懸垂におすすめのグッズ
続いて懸垂をやる時に必須となる器具と、あったら便利な筋トレグッズを紹介します。
懸垂マシン(ぶら下がり健康器)
大概のジムには懸垂する場所があるので、ジムで鍛えるトレーニーには不要です。
ただし、自宅でトレーニングする方にはぜひとも懸垂マシンをおすすめします。
ダンベルで全身を鍛えられるから、なくても良くない?
と思う人もいますが、ダンベルではローイング系の種目しかできず僧帽筋や広背筋の下部ばかりが鍛えられます。
ダンベルベンチなど大胸筋もしっかり鍛えていても、懸垂はやってないとなると表裏の関係にある大胸筋と広背筋の筋肉のバランスが崩れるので美しい身体を目指すには必須アイテムです。
懸垂バー
自宅で懸垂マシンを置くスペースなんてない!
という人におすすめなのが懸垂バーです。
ドアに引っ掛ける、壁につっぱり棒のようにしてつけるだけで懸垂ができるのでスペースがなくてもできるのが魅力です。
ただしバーが外れる、引っ掛けたドアが重さに耐えきれないなど、安心して動作を行うのが難しいのがデメリット。
バーの耐荷重はどれくらいか、あるいは突っ張りタイプであればまっすぐバーをつけれているかが分かる水準器がついているかなどを確認しましょう。
パワーグリップ
懸垂をはじめ、背中の種目全般では握力の消費が激しく背中を追い込む前に握力の限界が来ることも珍しくありません。
そんな握力がもたないという悩みを解決するのがパワーグリップです。
パワーグリップを着けて、バーにベロの部分を巻きつけることで握力の消費が軽減されます。
これを付ける事によって懸垂の回数が+2〜3回伸びるイメージなので、長期的に見てパワーグリップを巻くか巻かないかで大きく筋肉の付き方に変化が生じるでしょう。
リストストラップ
リストストラップもパワーグリップと同様に、握力の補助として使用できます。
ただパワーグリップよりも何重にも巻くので、より滑りにくくデッドリフトなどの高重量種目にも適応するのが特徴です。
懸垂の際は何重にも巻くのが面倒なので、個人的にはパワーグリップの方がおすすめです。
懸垂(チンニング)の効果的なやり方のまとめ
今回は懸垂のやり方やバリエーション、懸垂をやる際のおすすめグッズについて紹介してきました。
懸垂は自重ながら高負荷で背中を鍛えられる非常に優れた種目ですが、難易度が高く中級者でも苦戦する人は多いです。
ぜひ今回紹介したやり方や、できない人向けのメニューを活用し、懸垂の回数を増やせるよう背中トレに励みましょう。