こんにちは!
BEYOND中野店店長の早乙女(@saotome_takutoshi)です。
トレーニングでも最重要な胸のトレーニング。
皆さんの中には、
フィジークで通用する胸はどう作り上げるの?
胸のトレーニングはどんなポイントを意識したらいいの?
こんな疑問をお持ちになった事はありませんか?
フィジークにおいて大胸筋は正面から見た時の存在感に欠かせない筋肉で、トップ選手ともなると輪郭がくっきりとした分厚い胸が目立ちます。
そこで今回はフィジーク体型になるために必要な胸の解剖学の知識や、おすすめの種目、トレーニングテクニックなどを紹介してみたいと思います。
フィジーク体型になるために必要な胸の解剖学
大胸筋は上部・中部・下部と三つに分かれていて、それぞれ鍛え方が少し異なります。
その理解のためにそれぞれの筋肉の働きについて説明します。
胸の筋肉① 大胸筋上部
大胸筋上部は鎖骨の下あたりから上腕骨に向かって斜め下についている筋肉です。
主な働きは腕を前に上げる肩の屈曲と腕を側方から前に持ってくる肩の水平内転の2つです。
大胸筋上部を狙う種目ではこの2つの作用の中間を狙った、腕を斜め上に押し上げるような軌道を意識すると良いでしょう。
胸の筋肉② 大胸筋中部
大胸筋中部は胸骨から上腕骨に向かってついている筋肉です。
主な作用は腕を側方から前に持ってくる肩の水平内転が挙げられます。
ベンチプレスや腕立て伏せの動作そのものであり、水平に動作を行うのが肝です。
胸の筋肉③ 大胸筋下部
大胸筋下部は腹筋の上部あたりから上腕骨に向かって斜め上についている筋肉です。
主な作用は脇を閉じる肩の内転と、腕を側方から前に持ってくる肩の水平内転の2つです。
大胸筋下部を狙う種目ではこの2つの作用の中間を狙って、腕を側方から前に押し下げるような軌道で行うと良いでしょう。
フィジーク体型になるための胸のトレーニング種目
フィジーク体型になるための胸のトレーニング種目を紹介します。
フィジークの胸を作る大胸筋の種目① ベンチプレス
大胸筋を鍛える代表的な種目がベンチプレスです。
メインは大胸筋を鍛える種目ですが、補助的に上腕三頭筋や三角筋の筋肉も使われます。
手幅は肩幅の1.5倍ほどが適切とされていて、狭くなるほど上腕三頭筋の動員が強まります。
また、「胸を張ってブリッジを作る」という表現がよく使われますが、これはただ胸を張って肩甲骨を寄せるのではなく、肩を落として肩甲骨を寄せる「肩甲骨の下方回旋」と呼ばれる姿勢を作るのが正しいブリッジです。
肩を落として行わないと胸が張りづらいだけでなく、肩関節の怪我にもつながるので注意しましょう。
ベンチプレスの正しいやり方
大胸筋上部はインクラインベンチプレス
30-45度程度傾けたベンチ(インクラインベンチ)で行うベンチプレスをインクラインベンチプレスと呼びます。
インクラインに傾けることで大胸筋上部の動員が強まります。
ただし、ベンチの角度を上げすぎると三角筋に負荷が逃げる点に注意しましょう。
また、フラットベンチで行う時より軌道が不安定になりやすいので、スミスマシンで行うのがおすすめです。
インクラインベンチプレスの正しいやり方
大胸筋下部はデクラインベンチプレス
デクラインベンチプレスは、インクラインベンチプレスとは対照的にお尻側を高くして行うベンチプレスです。
これは下半身がぐらつきやすいので、スミスマシンにすることで安全になります。
お尻を上に突き上げた姿勢を保ったまま動作を行うことで、斜め下にバーを押す軌道となり、大胸筋下部に刺激が入ります。
また、通常のベンチプレスではみぞおちくらいにバーを下ろしますが、デクラインの場合はちょっと低めに下ろすのがポイントです。
デクラインベンチプレスの正しいやり方
大胸筋下部のトレーニングについては以下もご参考ください!
大胸筋下部の効果的な筋トレ攻略法|5つの実践メニューをご紹介!
フィジークの胸を作る大胸筋の種目② ダンベルフライ
ダンベルを体側に向かって開くような動きで、大胸筋に強烈なストレッチの刺激を加えられる種目です。
ベンチプレスなどのように高重量は扱えませんが、大胸筋単体に刺激をかけられる点がメリットです。
軌道はベンチプレスを円を描くようにイメージです。
ダンベルが体側にある時に強いストレッチの負荷がかかる反面、収縮の負荷はあまりかかりません。
動作中は肘を軽く曲げないと、肘や肩の関節にかかる負担が大きくなるので注意しましょう。
ダンベルフライの正しいやり方
プロが1分動画で解説!「ダンベルフライ」の正しいやり方とコツとは?
大胸筋上部はインクラインダンベルフライ
インクラインダンベルフライは、30-45度くらいに傾けたベンチ(インクラインベンチ)で行うダンベルフライです。
通常のダンベルフライよりも斜め上に持ち上げるような軌道になることで、大胸筋上部への刺激が強まります。
インクラインダンベルフライの正しいやり方
大胸筋下部はデクラインダンベルフライ
デクラインダンベルフライはインクラインダンベルフライとは対照的に脚の位置を高くして、頭の位置を低くした状態で行うダンベルフライです。
斜め下に押し下げるような軌道となることで、大胸筋下部への刺激が強まります。
デクラインダンベルフライの正しいやり方
大胸筋下部のトレーニングについては以下もご参考ください!
大胸筋下部の効果的な筋トレ攻略法|5つの実践メニューをご紹介!
フィジークの胸を作る大胸筋の種目③ ケーブルフライ
側方にあるケーブルを胸の前で閉じるようにして行う種目です。
常にケーブルの張力がかかっているので、動作全体で負荷が抜けないのがメリットです。
ダンベルフライでは大胸筋の収縮時に負荷が抜けますが、ケーブルフライは収縮時にも強い負荷がかかるので、異なる刺激を加えたい時におすすめです。
ケーブルフライの正しいやり方
大胸筋上部は下から上に押し上げる
ケーブルの位置を低めにセットすることで斜め上に押し下げる軌道となり、大胸筋上部への負荷が強まります。
ケーブルフライの大胸筋上部への効かせ方
大胸筋下部は上から下に押し下げる
ケーブルの位置を頭より高い位置にセットすることで、斜め下に押し下げる軌道となり、大胸筋下部への負荷が強まります。
ケーブルフライの大胸筋下部への効かせ方
フィジークの胸を作る大胸筋の種目④ ペックフライ
ペックフライはダンベルフライをマシンで行うような種目です。
常に大胸筋に負荷がかかっているので、フリーウエイトで負荷が抜ける局面でも効かせられるのがメリットです。
大胸筋のトレーニングで怪我をしやすい人はウォーミングアップとして、ペックフライを取り入れるのもおすすめです。
ペックフライの正しいやり方
フィジークの胸トレーニング組み方の例
ここでは具体的に、フィジークのトップ選手湯浅幸大選手が行っているトレーニングをご紹介します。
- インクラインダンベルプレス(30度・45度)
- デクラインチェストプレス
- インクラインダンベルフライ
- インクラインチェストプレス
- ペックフライ
- チェストプレス
湯浅選手のトレーニングの特徴は以下のものが挙げられます。
- ダンベルとマシンが中心
- 大胸筋上部から始める
- 脚の力を使わない
- 鏡で逐一フォームを確認
- できるだけ大胸筋のみに集中させる
湯浅選手のトレーニングは、ほぼ大胸筋上部の種目から入ることが多いですが、これは大胸筋上部が発達しづらい部位なので優先度を高めています。
また、ベンチプレスを行わない、脚の力を使わないなど独自のこだわりがありますが、これは大胸筋にいかに負荷を集中させるかを考えた結果によるもののようです。
他にも時折鏡を見たり、呼吸を調節したりなどフォームを微調整しており、熟練の上手さが垣間見えます。
フィジーク体型になるための胸トレーニングのテクニック
一般的なトレーニングは10回×3セットや15回×3セットが一般的ですが、いつも同じトレーニングをしていても身体が負荷に慣れてしまい成長は見込めません。
そのため、日々のトレーニングで刺激の変化を加えることが重要です。
変化を加えたい時におすすめのトレーニングテクニックは以下の5つです。
①レストポーズ法
レストポーズ法とは
という流れを計4セットほど行う手法です。
高重量(90%1RM程度)を扱う場合は通常インターバルを2分以上設けて同じ回数をこなします。
大胸筋の場合はスミスマシンでのベンチプレスや、チェストプレスで行うのがおすすめです。
②コンパウンドセット法
コンパウンドセット法は同じ筋肉を鍛える種目を連続で行う手法です。
例えば、ベンチプレスとダンベルフライ、ラットプルダウンとシーテッドローを連続で行うイメージです。
2種目を連続で行うため、それぞれの重量は70-80%(1RM)程度に設定するのがおすすめ。
胸の場合はベンチプレスやチェストプレスなどの重量を扱える多関節種目と短関節種目のケーブルフライやペックフライ、ダンベルフライなどを組み合わせるのが良いでしょう。
③スーパーセット法
スーパーセット法は拮抗筋の関係にある筋肉を交互に鍛える手法です。
拮抗筋とは表裏の関係にある筋肉のことで、片方の筋肉を鍛える時、もう片方の筋肉が緩む関係にあります。
上腕二頭筋と上腕三頭筋、大腿四頭筋とハムストリングス、大胸筋と広背筋などが代表的です。
大胸筋は広背筋と表裏の関係にあるので、それぞれの種目を交互にやります。
その場合の具体例は以下のようになります。
スーパーセット法のやり方
④ドロップセット法
ドロップセット法は
という流れを繰り返すトレーニング方法です。
インターバルなしで限界まで追い込むという流れを繰り返し行うことでオールアウトでき、筋肥大効果が期待できます。
具体的なやり方は以下の通りです
ドロップセット法のやり方
⑤アセンディングセット法
アセンディングセット法とはセットごとで重量を上げていく手法です。
セットごとに重量が上がっていき、最終的には90%RM程度の重量となります。
通常のトレーニングに比べて段階を踏んで高重量に突入するので、身体が高重量の刺激を受け入れる準備が十分にできた段階で臨めます。
ベンチプレスでは手首や肩の怪我を起こしやすいので、怪我しがちな人はアセンディングセットに変更するのがおすすめです。
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胸のトレーニングでの注意点
胸のトレーニングの際に注意すべきポイントを説明していきます。
肩や胸周りのウォーミングアップを入念に行う
胸のトレーニングでは高重量を扱うことで関節に大きな負荷がかかるので、ウォーミングアップを入念に行いましょう。
特に肩のインナーマッスルであるローテーターカフや、胸を張るための胸椎のストレッチなどを重点的に行いましょう。
ブリッジをキープしたまま行う
大胸筋の種目全般はブリッジの姿勢を作って行います。
ブリッジの姿勢とは胸を張るように肩甲骨を寄せて、そのまま肩甲骨を押し下げた姿勢のことを指します。
種目を行う前にブリッジを組んでから始めますが、動作が終わるまで姿勢をキープする必要があります。
それによりうまく胸を張ることができ、怪我を防ぎながら大胸筋への負荷を集中させることができます。
フィジークの為の胸トレーニングのまとめ
今回はフィジーク体型の胸を作るための解剖学や、トレーニング種目、トレーニングテクニックなどを紹介してきました。
大胸筋は特にフィジークのフロントポーズで存在感を放つために必要な筋肉です。
ベンチプレスやケーブルフライなどは誰もがやっている種目ですが、他の種目とどう組み合わせるか、各種目で効かせるためにどう意識するかなど細かく意識することで身体が変わってきます。
そのため、ぜひ今回紹介した胸トレの知識を活用して、意図的に鍛え分けてフィジークで通用する胸を作り上げましょう!