こんにちは!
BEYOND中野店店長の早乙女(@saotome_takutoshi)です。
筋トレを勉強していくと知らない専門用語が数多く出てくるものですが、その中でも重要度の高いものがコンパウンド種目(多関節運動)とアイソレーション種目(単関節運動)です。
はじめのうちはなんとなくでメニューを組みがちですが、コンパウンド種目とアイソレーション種目の違いを理解し使い分けることでより筋肥大効率が高まります。
そこで今回は、コンパウンド種目とアイソレーション種目の違いや組み合わせ方、具体的なメニューを紹介していきます。
コンパウンド種目とは
<コンパウンド種目とは>
複数の関節を動かして、複数の筋肉を鍛える種目を意味します。
そのため、多関節運動とも呼びます。
例えば、股関節と膝関節や、足関節が動くスクワット、肩関節と肘関節が動く腕立て伏せなどがあります。
メインで使われる筋肉は主働筋、補助的に使われる筋肉は補助筋と呼ばれ、複数の筋肉を使うことで高負荷のトレーニングが可能です。
【胸】
・ベンチプレス
・ダンベルプレス
・腕立て伏せ
・ディップス
【背中】
・デッドリフト
・チンニング(懸垂)
・ラットプルダウン
【肩】
・ショルダープレス
【脚】
・レッグプレス
・スクワット
高重量を扱えるメジャー種目ばかりで初心者〜上級者まで取り組む人が多いです。
アイソレーション種目とは
<アイソレーション種目とは>
コンパウンド種目とは対照的に、単一の関節のみを動かし単一の筋肉のみを鍛える種目です。
そのため、単関節運動とも言われています。
例えば、肘関節だけが動くアームカールや、膝関節だけが動くレッグエクステンションなどがあります。
1つしか関節を使えないことからコンパウンド種目よりも扱える重量が大幅に下がりますが、ターゲットが絞れるので最後の追い込みに適するというメリットもあります。
例えば「ベンチプレスをしているのに胸に効きにくい」など効かせたい筋肉に効かないという場合に、ケーブルフライやダンベルフライなどアイソレーションを取り入れるのがおすすめです。
比較的単純な動作の種目が多いため、フォームについてもコンパウンド種目に比べて簡単なものが多いです。
代表的なアイソレーション種目は以下の通り。
【胸】
・ダンベルフライ
・ケーブルフライ
【肩】
・サイドレイズ
・フロントレイズ
・リアレイズ
【腕】
・ハンマーカール
・アームカール
・スカルクラッシャー
・キックバック
【脚】
・レッグカール
・レッグエクステンション
・カーフレイズ
特に肩や腕の種目はアイソレーション種目であることが多いです。
コンパウンド種目とアイソレーション種目の見極め方
筋トレを初めて間もない人の中には
コンパウンド種目とアイソレーション種目の見極め方がいまいちわからない
という方もいるでしょう。
ある程度経験を重ねると見極めは難しくないのですが、初心者にとっては難しいですよね。
そんなとき、初心者が見極める際は扱える重量や、種目の名前で考えるのがおすすめです。
扱える重量で判断する場合
重量で判断する場合は、ある筋肉を鍛える種目の中で、相対的に高重量を扱える種目か、低重量しか扱えない種目かを考えます。
たとえば胸を鍛える際、最も高重量を扱えるのが、初心者でも60〜70kg程度、中級者以上は100kg超えも出てくる種目です。
こういった種目はコンパウンド種目です。
それに比べてダンベルフライは上級者ですら30kgくらい、初心者になると10kg程度の場合もあります。
脚も同様にスクワットが100kg以上扱えても、レッグエクステンションでは40kgくらいでセットを組むでしょう。
このように明らかに重量が下がる種目はほぼアイソレーション種目と考えて良いでしょう。
種目の名前で判断する場合
重量で判断する場合は例外もありますが、種目名で判断する場合はほぼ見極めが可能です。
名前で判断する際は下記のように覚えましょう。
- プレス系
- ローイング系
- スクワット系
- デッドリフト系
- カール系
- レイズ系
- エクステンション系
- フライ系
アイソレーション種目は特に、サイドレイズ、レッグカール、レッグエクステンションなどの名前が入っている場合が多く見極められるでしょう。
コンパウンド種目とアイソレーション種目の組み合わせ方
コンパウンド種目とアイソレーション種目の違いがわかったところで、実際はどのように使い分けるかについても説明していきます。
原則、コンパウンド種目をメインにアイソレーション種目を補助的に取り入れるのがおすすめです。
その理由はそれぞれのメリット・デメリットを比較すれば分かりやすいです。
メリット |
・全身の筋力向上・筋肥大に効果的 ・消費カロリーが大きくダイエットに効果大 ・身体の連動がうまくなりスポーツの上達が見込める |
デメリット |
・苦手部位には刺激が入りづらい ・関節の怪我のリスクが高い |
メリット |
・狙った筋肉に刺激を与えられる ・筋肉の溝を作りたい ・比較的簡単でやりやすい |
デメリット |
・高重量を扱えない ・消費カロリーは低い |
筋トレをする人の多くが筋肥大やダイエットを目的にする場合が多いのでコンパウンド種目をメインに考えていくのがいいでしょう。
一般的には
の順に行い、最後に細かく各部位を追いこみます。
また、アイソレーション種目をウォーミングアップとしてコンパウンド種目の前に行うやり方もおすすめです。
代表的なコンパウンド種目のメニュー
続いて代表的なコンパウンド種目のやり方を紹介していきます。
胸のコンパウンド種目:ベンチプレス
ベンチプレスのやり方
メインは大胸筋を鍛える種目ですが、補助的に上腕三頭筋や三角筋の筋肉も使われます。
手幅は肩幅の1.5倍ほどが適切とされていて、狭くなるほど上腕三頭筋の動員が強まります。
また、「胸を張ってブリッジを作る」という表現がよく使われますが、これはただ胸を張って肩甲骨を寄せるのではなく、肩を落として肩甲骨を寄せる「肩甲骨の下方回旋」と呼ばれる姿勢を作るのが正しいブリッジです。
肩を落として行わないと胸が張りづらいだけでなく、肩関節の怪我にもつながるので注意しましょう。
ベンチプレスについて詳しくは以下も参考ください。
脚のコンパウンド種目:スクワット
スクワットのやり方
上体を起こす時、ひざではなくおしりから元の状態に戻すことを意識し、スクワット中は呼吸を止めないようにしましょう。
トレーニングは力を抜く時に鼻から息を吸い、力を入れる時に口から息をはく呼吸法が用いられます。
スクワットの場合、しゃがむ時に鼻から息を吸い、上体を起こす時に口から息をはいていきましょう。
最初の頃はこの呼吸法は慣れないかもしれませんが、呼吸を止めてしまうと体に大きな負担をかけることになるので意識して行いましょう。
回数の目安は10~15回×3セットになります。
スクワットについて詳しくは以下も参考ください。
キング・オブ・筋トレ「スクワット」の正しいやり方を初心者向けに徹底解説!
背中のコンパウンド種目:デッドリフト
デッドリフトのやり方
こちらが通常のデッドリフトです。
全てのトレーニングの中でも最も高重量を扱える種目で、和訳で「死の挙上」を意味する通り非常に危険な種目でもあります。
スタートポジションで、バーにスネが着くぐらい身体に近い位置にセットし、足の中心のミッドフットの真上を上下運動するような軌道で行います。
背筋を真っ直ぐ伸ばした状態で、膝関節と股関節を同時に伸ばしていくようにしないと膝や腰を痛めかねないので注意しましょう。
デッドリフトについて詳しくは以下も参考ください。
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背中のコンパウンド種目:チンニング(懸垂)
チンニング(懸垂)のやり方
広背筋まわりの背中の広がりを作るために欠かせないのがチンニング(懸垂)です。
自重トレーニングにも関わらず非常に負荷が高く、初心者は一回もできないということも普通にあります。
身体を持ち上げる際は胸を張った状態で、肩甲骨を下方回旋させながら胸をバーにつけるようにします。
下方回旋とは下図のように肩甲骨を斜め下に引く作用です。
引く際に肩を落としたまま、肘を腰に近づけるようにするのがポイントです。
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肩のコンパウンド種目:ショルダープレス
ショルダープレスのやり方
三角筋前部を鍛える最もベーシックな種目です。
ポイントとして、ベンチの角度を垂直にしてしまうとベンチにもたれかかりにくく、動作がやりづらいです。
そのためベンチを倒す必要がありますが、倒していくほど大胸筋が使われてしまうので、80度くらいに調節するよう意識しましょう。
また、ダンベルを挙げる際に肘が伸び切るまで挙げてしまうと、三角筋ではなく関節に負荷がのってしまうため注意しましょう。
ショルダープレスについて詳しくは以下も参考ください。
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代表的なアイソレーション種目のメニュー
続いて代表的なアイソレーション種目のやり方を紹介していきます。
胸のアイソレーション種目:ダンベルフライ
ダンベルフライのやり方
ダンベルフライは弧を描くような軌道で、大胸筋にストレッチの刺激を与えられる種目です。
ベンチプレスが高負荷をもつことで刺激を加えるのに対し、ダンベルフライは重量は軽くてもストレッチで強い刺激がかかり筋肥大に効果的です。
脚のアイソレーション種目:レッグカール
レッグカールのやり方
レッグカールは太もも裏のハムストリングスを鍛える種目です。
マシンにある回転軸の真横に膝がくるようにセットし、つま先を反って行うことで刺激がのせやすくなります。
脚のアイソレーション種目:レッグエクステンション
レッグエクステンションのやり方
レッグエクステンションはレッグカールとは対照的に曲がった膝を伸ばしていくことで、太もも前面の大腿四頭筋を鍛える種目です。
スクワットの前のウォーミングアップ、あるいは脚トレの最後に追い込みとしてもってくるのがおすすめです。
肩のアイソレーション種目:サイドレイズ
サイドレイズのやり方
サイドレイズは三角筋中部を鍛える代表的な種目です。
ダンベルを弧を描くように側方に振り上げるという種目ですが、この際手の甲が真上ではなく、軽く小指側が上を向くくらいで行うのが最適です。
また、動作の初動(0-20度付近)では負荷がほぼかからず、反対に90度以上挙げた場合も僧帽筋に負荷が逃げるので、その間を可動域としましょう。
サイドレイズについて詳しくは以下もご参考ください。
【プロが1分動画で解説!】「サイドレイズ」の正しいやり方とコツとは?
肩のアイソレーション種目:フロントレイズ
フロントレイズのやり方
フロントレイズはダンベルを前方へ振り上げることで、肩の前側の三角筋前部を鍛えます。
また、バリエーションは様々で手の甲を上にするやり方、親指が上に来るようにして行うやり方、片手ずつ行うやり方などがあります、
反動を使ってしまうと負荷が抜けやすくなるので、戻す時はゆっくりと戻し、ボトムで一瞬止まってから行いましょう。
肩のアイソレーション種目:リアレイズ
リアレイズのやり方
リアレイズは三角筋後部を鍛える代表的な種目です。
フォームはサイドレイズを前傾して行うイメージで、ダンベルが弧を描くように持ち上げます。
その際、肩甲骨が寄ると背中の筋肉が使われやすくなるので、肩甲骨を寄せないように肘を外に張るように持ち上げるのが肝です。
腕のアイソレーション種目:バーベルカール
バーベルカールのやり方
アームカールは上腕二頭筋を鍛える定番種目で、シンプルなフォームということもあり初心者でも取り組む人も多いです。
特に初心者がやりがちなミスが、肘が動きがちだったり、反動を使って持ち上げたりといったものです。
身体は地面に対して垂直にしたまま、スピーディーに行うのではなく一回ずつ丁寧に行う方が刺激が乗りやすく筋肥大には効果的です。
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コンパウンド種目(多関節運動)とアイソレーション種目(単関節運動)の違いまとめ
今回はコンパウンド種目とアイソレーション種目の違いや、具体的な組み合わせ方などを紹介してきました。
初心者から上級者まで、基本はコンパウンド種目をメインにやるのがいいと思いますが、ウォーミングアップや最後の追い込みなど、場面に応じてアイソレーション種目も取り入れることでバランスの良い筋肉を作り上げましょう。