こんにちは!
パーソナルトレーナーのKOHRIMAN(@kohriman)です!
扁平足とは、土踏まずが潰れている足の状態のことを言います。
みなさんの足はどうでしょうか?
扁平足だからといって必ずしも日常生活に支障が出るわけではないので、気づかない方もいれば気づいていてもそのままにしているなんて方も多いと思います。
しかし、扁平足をそのままにして放っておくといずれ様々な障害が出てくることもあり、スポーツを行なっている方はケガのリスクも高まります。
今回は、扁平足について理学療法士観点からわかりやすく解説していくので、最後までこの記事をご覧いただき、扁平足を改善しておきましょう。
土踏まずの役割
まずは、なぜ人間に土踏まずがあるのかを解説していきます。
あってもなくてもどちらでも良さそうな土踏まずですが、実は重要な役割があるのです。
土踏まずの役割は大きく分けて2つあります。それは、歩く時の衝撃吸収と推進力の発揮です。
1つ1つ説明していきます。
歩く時の衝撃吸収
土踏まずは歩く時の衝撃吸収に役立っています。
内側縦アーチとも呼ばれており、アーチ構造になっています。
このアーチ構造がアーチを保ったり、時には潰れたりすることで衝撃を吸収してくれるのです。
歩いている時を想像してみましょう。
右足を振り出して踵から床に接地しますが、この時はまだ右足のアーチ構造は保たれています。
そして、急激に右足に体重がかかりますが、この時に土踏まずのアーチ構造は潰れていきます。これが衝撃吸収となっているのです。
土踏まずが衝撃を吸収してくれることにより、人間は滑らかに歩くことができています。
もし土踏まずがなかった場合は、体重分の衝撃が吸収されず、歩いていても頭や体幹などがぶれてしまいます。
視線は定まらず、とても歩きにくくなるでしょう。
歩く時の推進力
土踏まずは歩く時の推進力にも関わっています。
先ほど、体重がかかった時に土踏まずのアーチ構造が潰れるといいましたが、潰れたアーチ構造は強い反発力を持っています。
潰れたアーチ構造は、今度は強い力で元に戻ろうとするのです。
その反発力が歩く時の蹴り出しに役立ちます。蹴り出しの時にアーチ構造は元に戻って剛性を高め、その力を推進力に変えて前に進もうとします。
このことを難しい言葉でウィンドラスメカニズムといいます。
もし土踏まずがなかった場合は蹴り出しの力が弱まり、歩いていてもすぐに疲れたり上手く歩けなかったりしてしまいます。
扁平足の見分け方
扁平足かどうかは土踏まずが充分にあるかないかで決まります。
以下の2つの画像をご覧ください。
上の写真のような三角形ができていればしっかりとした土踏まずがあるという証拠になります。この三角形は、第一中足骨頭・舟状骨・踵骨という3つの骨を結んでできた三角形です。
しっかりとした三角形があり、足の内側と床の間には充分に隙間があるのがわかります。
一方で、上記のように三角形が潰れているのが扁平足です。足の内側と床の間には充分な隙間がありません。
もっとひどい方は三角形がなくなり、足の内側と床がペタっとくっつく場合もあります。
扁平足の原因
扁平足の原因はさまざまあると言われていますが、主なものが後脛骨筋の筋力低下と生まれつきの骨格や靭帯のゆるみです。
この他にも、長時間の立ち仕事やスポーツのやり過ぎなどで扁平足になる方もいます。
扁平足になる背景には後脛骨筋の筋力低下と生まれつきの骨格や靭帯のゆるみがあります。
後脛骨筋の筋力低下
後脛骨筋はふくらはぎの奥にある筋肉で、内くるぶしの後方を通って舟状骨にくっつきます。
後脛骨筋が舟状骨についているという所が重要なポイントです。舟状骨は土踏まずのアーチ構造を作っている骨であり、三角形の1番頂点にある骨です。
後脛骨筋がしっかり働くことで舟状骨が上に引っ張られて、きれいな土踏まずができます。
一方で、後脛骨筋の筋力が低下していると舟状骨を上手く上に引っ張れずに土踏まずが潰れてしまいます。
その状態が慢性的に続くと扁平足になるのです。
扁平足の方のうち約8割の方がこの後脛骨筋の筋力低下が原因だと言われています。
生まれつきの骨格や靭帯のゆるみ
生まれつきの骨格や靭帯にゆるみがあると扁平足になります。
土踏まずは第一中足骨・内側楔状骨・舟状骨・踵骨などの骨や、足底腱膜・長短足底靭帯・バネ靭帯などの靭帯から構成されています。
通常の方はこれらがある程度の硬さを持っており、アーチ構造を形成しているのです。しかし、生まれつき体の柔らかい方などはこのアーチ構造が破綻しています。
骨と靭帯でのアーチ構造が充分に機能していなければ、いくら後脛骨筋が頑張っても扁平足になる確率が高くなってしまうのです。
扁平足の方のうち約2割の方がこの生まれつきの骨格や靭帯のゆるみが原因だと言われています。
扁平足になるとどうなるの?
では、扁平足になるとどうなるのでしょうか。扁平足でも症状が出る方と無症状の方がいますが、ここでは日常生活場面とスポーツ場面に分けて見ていきます。
日常生活場面
日常生活場面では、扁平足によって足が痛くなったり疲れやすくなったりします。
特に長時間立ちっぱなしの仕事や、ずっと歩いている時に症状が出やすいです。
土踏まずによる衝撃吸収や推進力の発揮がなされないことが強く影響しています。
スポーツ場面
スポーツ場面では、扁平足によってシンスプリントや足底腱膜炎などのケガのリスクが高まります。
シンスプリントや足底腱膜炎は特に陸上選手やバレー選手、サッカー選手などに多い障害です。
扁平足によって衝撃吸収能力が落ち、色んなところに負担がかかるためです。
扁平足を治す筋力トレーニング
ここでは、扁平足を治す筋力トレーニングを2つご紹介していきます。
どちらのトレーニングも、土踏まずのアーチ構造に関わる筋肉を鍛えるためのトレーニングです。
正しいやり方だけでなく重要なポイントもお伝えしていくので、ぜひ参考にしてください。
後脛骨筋トレーニング
まず、後脛骨筋を鍛えるためのトレーニングです。
足部内転運動を行なっていきます。ゴムバンドを使ってもいいですが、使わなくても大丈夫です。
自分に合った方法で行いましょう。
以下では後脛骨筋トレーニングの正しいやり方について解説します。
1.イスまたは床に座ります。
2.足のすねを両手で押さえて固定します。
3.踵を中心に、足首を内側へひねって動かします。
4.最大まで足首を内側に動かしたら元に戻します。
5.3~4を10回繰り返し、合計3~5セット行います。
後脛骨筋トレーニングのポイント!
・トレーニングの際には、足のすねはしっかり固定しましょう。
足首から先だけが動くのが正しい動きです。足のすねや膝、股関節まで動くと後脛骨筋に効いていない証拠になります。
足首は動かせる範囲を全部動かしましょう。内側へひねるように動かすのがポイントです。
カーフレイズ
次に、カーフレイズです。
カーフレイズというと下腿三頭筋のトレーニングだと思われがちですが、後脛骨筋や長母指屈筋など土踏まずのアーチ構造に重要な筋肉も多く活動します。
カーフレイズの正しいやり方について解説します。
1.イスや壁などに触れられる環境で立ち姿勢を取ります。
2.少し内股になり、片脚立ちをします。
3.片足立ちをした状態で、踵上げを行ないます。
4.踵が最大の所まで上がったら、ゆっくり降ろしていきます。
5.3~4を10回繰り返し、合計3~5セット行います。
カーフレイズのポイント!
・少し内股にしてからカーフレイズを行いましょう。そうすることで、後脛骨筋や長母指屈筋のトレーニングになります。
・踵を上げる時は速く上げ、踵を下げる時はゆっくり下げましょう。
なお、バランスを上手く取れないという方は片足立ちではなく両足立ちにしたり、イスや壁などに手を触れたりして行いましょう。
扁平足の原因や治し方のまとめ
扁平足の基礎知識と扁平足を改善するための筋力トレーニングをご紹介しました!
土踏まずには衝撃吸収と推進力の発揮という2つの役割があり、扁平足ではこれらの能力が破綻していることが問題です。
扁平足でも無症状の方がいますが、慢性的な扁平足はケガのリスクを高めます。
今回ご紹介した筋力トレーニングを参考にして扁平足を改善してみてください!